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配役は決まっている。 [バレエ日記]

舞台、演目は様々だ。
だが、その重要な配役の割り振りは、常に決まっているのかもしれない。

先日の主人との会話でのことだった。
その外出先で、私と主人は、何人かの高校生を見かけた。
野球をしているのか、彼らは坊主頭だった。
ふと、私は主人に話しかけた。
「部員数が多いところでも、頑張ればレギュラーになれるの?」

こんなことを主人に聞いてみたのは、知人の高校生の息子を思い出したからだ。
小学生~中学生まで、サッカーをやっていたその男の子は、
高校に入ると、バレーボールに転向した。
理由は、部員数の少ないところで活躍したいから。
そこの高校のサッカー部は、部員が100人もいて、殆んどが試合に出られない。
だったら、確実に試合に出られるところで楽しみたいそうだ。
試合に出たいのなら、彼の選択は正しいのだろう。

もう一方で、それでも、そのスポーツが強い学校に入って、
頑張ってレギュラーになって、大きな大会にでたい
例えば、野球なら甲子園とか目指したい‥ とか思ってる子達も多いのじゃないかと思う。

いつかは、きっと‥ 

という気持ちと共に頑張ってる、彼等。
だが、それに対する主人の答えは、

「無理だな。」

だった。
主人が言うには、初めから(入部当初から)、レギュラーになる子には目星を付けている。
それは、その後も変わらないだろう、と。
そんなもんだろうか、だったら悲しいよ。
それでも、現実はそうなのだ、
と、主人は言う。
私にとって、野球経験者の、この言葉は重かった。

そう、野球じゃないんだ。
バレエも、似てるのかもしれないと思った。
舞台は、指導者の夢を作る場にもなる。
配役は指導者の好みで固められ、テクニックでさえ後ろに回されたりする。
好みは、そうそう変わるものじゃない。

どこの世界も同じだ

幾人かの生徒は、それに気付いて、去っていったのだろうか?
配役の不均衡については、誰もが言葉にしない。
触れてはならない禁忌の領域。

そして、ここには、もうひとつ禁忌がある。
昨日は、またひとり、禁忌を犯してしまった人がいた。
彼女の表情は固いまま、稽古を終えた。
来年の今頃、彼女はここに居るだろうか?
かつて同じような経験をした、幾人かは、もう稽古場には居ない。
その空気を察した、ある女性は、暫くの間、厳しい表情のままでいた。
いや、皆わかってるだろう。
私と同様、表情に出さず、沈黙しているだけだ。

さて、主人との会話。
自分の立ち位置を、再び確認させられてしまった。
私は同じだ。
その他大勢の控えの選手と。
だから、彼等の葛藤も苦しみもわかる。

そして、心も、彼らと同じだ。 
私は


来年も、ここに居たい。





タグ:バレエ 配役
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